内視鏡的治療②

●大腸がんを治すための治療

<内視鏡的治療>

キノコのような形のポリープは、カウボーイがロープを牛の首に投げつけるように、針金をポリープに引っ掛けて通電して大腸に出来てしまった腫瘍を焼き切るポリペクトミーという方法で切除しますが、そのような姿をしていない無茎性のもの。つまり腸の粘膜にべっとりと張り付いたような姿の平坦なポリープの場合は、周辺の粘膜を浮き上がらせて広い範囲の粘膜を焼き切る、内視鏡的粘膜切除術(ないしきょうてきねんまくせつじょじゅつ・EMR)で摘出します。一般には、ポリープが大きい場合には短期間の入院の上、内視鏡治療を行います。けれども小さなものに対しては、病院に来て切除治療をしてその日にまた自宅に帰るという、外来治療を行っています。
また、摘出したポリープの病理学的(びょうりがくてき)検査が重要です(切除したポリープの組織を顕微鏡で見て、それが悪性なのか良性なのか調べる検査です)。

良性の腫瘍や粘膜の下にまでガンが達していない粘膜内にとどまる早期のがんは、これらの方法で簡単に治療することができますが、病理検査で病変が深くまで(粘膜筋板を越えて)拡がっていれば、リンパ節転移の危険性が10%前後生じるため、回復手術が必要となる外科療法が必要となります。

●内視鏡的粘膜切除術のくわしい治療方法とその流れ

内視鏡的粘膜切除術=Endoscopic mucosal resectionを略して、EMRと呼ばれることが多いようです。
隆起していないポリープ、ガンの病巣。腸の粘膜の表面にべっとりと張り付いたような形の表面型の腫瘍も内視鏡で切除治療が出来るようにした、とても画期的な治療方法です。そのおおまかな流れは、

①腫瘍の真下の粘膜下層に生理食塩水などを注入する。

②生理食塩水を注入したことで、腫瘍・病巣が盛り上がる。
※このとき、肝心の腫瘍の周りの部分も一緒に隆起します。

③盛り上がった部分に内視鏡のスネアと呼ばれる針金を引っ掛ける。

④針金をしぼって盛り上がったところに密着するようにしてから通電し、腫瘍を焼き切る。
※腫瘍の周りの部分も一緒に切除されますが、そういう手術方法なので問題にはなりません。

⑤切除した腫瘍を取り出し、回収する。

●内視鏡的治療の利点

内視鏡で切除治療ができる大腸がんは、リンパ節転移がないと判断された早期がんだけです。
大腸がんに対して行われている内視鏡治療はポリペクトミー、EMRのほか、ホットバイオプシーといって、ポリペクトミーのように腫瘍をひっぱりあげ、把時し、高周波電流を通電することによって腫瘍を摘除(てきじょ)する方法が行われます。いずれも開腹手術と比べれば比較的簡単に、手軽に出来る治療方法なのですが、まれに腸の壁に穴が開いてしまったり(穿孔・せんこう)や出血がみられることがあるため、手術当日は食事ができません。

大腸の早期がんの初回治療では約60%に内視鏡による治療が行われるようになり、手術に比べて患者さんの負担が軽減し、術後の生活の質も向上しました。



1.大腸がんの基本エトセトラ
大腸がんについて②
大腸がんについて①
2.よく見られる大腸がんの症状
大腸がんの症状[直腸がん]
大腸がんの症状[結腸がん]
3.大腸がんを早期発見する方法
超音波検査
MRI検査
CT検査
大腸内視鏡検査
肛門直腸鏡検査
便潜血検査
4.大腸がんのステージと手術方法
大腸がんの手術の方法と種類
大腸がんの進行度・生存率
5.大腸がんに対抗する方法
大腸がんの素への対応
放射線治療と免疫療法
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6.大腸がんの予防方法
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